【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

現代の探検家《田邊優貴子》 =46=

2017-01-15 12:14:50 | 冒険記譜・挑戦者達

○◎ Great and Grand Japanese_Explorer  ◎○

○ 南極の凍った湖に潜って、原始地球の生態系を追う =田邊優貴子= ○

◇◆ 第18回 「南極で湖に潜ります」  =2/2= ◇◆

 現在、露岩域に点在しているいくつもの湖沼は、数万年前に大陸氷床が後退して誕生しました。 氷床から露出して、初めは何もなかったところに、バクテリアや菌類、藍藻、藻類、コケといった生物が侵入し、現在の不思議で豊かな生態系になるまで発達してきたわけです(どんな生態系が広がっているかは、第1回で掲載した映像をご覧ください)。  つまり、広範囲でみると、海岸から氷床の末端に向かって年代の古い順に湖沼が並んでいると言えますし、近接した湖沼群は、同じ気候条件の下で同じ時間をかけて発達してきたと言えます。

  ところが、近接した湖沼とは言え、中を覗いてみるとそれぞれに固有の生態系が出来上がっています。 ほとんどの湖沼はお互いに流域でつながっておらず独立しているので、一つ一つがまるで別の惑星のようなものと捉えることができるでしょう。 堆積物コアを岩盤付近まで採取することで、その湖沼が誕生してから今まで、生態系がどのように遷移してきたかを見ることができると考えています。

  次に大きなミッションは、湖氷が完全に解けてなくなったあとに、水中にエアタンクを背負って潜り、2年間の映像を撮影するビデオカメラ装置や、5個のセンサーが組み込まれた長さ2メートルの温度計を湖底に設置するというもの。 これによって、過去ではなく、現在の湖底の環境や植物群落の成長の様子を捉えようと考えています。

 

  私にとっての大きなミッションとしてはこんなところです。 あとは、私ではなく、同じパーティーの秋吉さんがメインとなったミッションとして、海氷上に出て南極固有の魚類を釣ったり、無脊椎動物を捕獲したりというものもありますし、氷河を掘削して観測しているパーティーの支援のため、氷河上に寝泊まりして作業を手伝うというものもあります。

  陸の上、湖の上、湖の中、海氷の上、氷河の上・・・こうして見ると、我々はなかなかバラエティーに富んだ行動をする調査パーティーではないでしょうか。  この原稿が掲載される頃にはきっと南極大陸に無事上陸し、白夜の眩しい太陽のもと、元気に調査に取りかかっていることでしょう。

  これから約2カ月の間、順調にいけば食糧補給のために1月中旬に一度だけ昭和基地入りする予定です(原稿を送れるのはそのタイミングになりそうです)。  では、それまでみなさんお元気で。
 メリークリスマス、良いお年を、そして、ハッピーニューイヤー。

 2011年12月24日 南緯68度、東経38度
南極大陸へ上陸直前のしらせにて


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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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